次世代機のサラウンド仕様固まる! そして「FFXII」の苦労話
CEDECでのドルビーのセッションは事実上、スポンサーセッションとその後のラウンドテーブルの2部構成となりました。まず、ドルビーの近藤氏によるゲームサラウンドの概要とその実装アイディアに関するセッション。ここで、Wiiのサラウンド仕様が発表されています。
基本的にはドルビープロロジックIIですが、ドルビーデジタルに関しては現時点で非公開です。また、この表にはPLAYSTATION3はありませんが、実はSCEの最新版SDK(開発キット)で、ドルビーデジタル5.1chの出力が実装されているということです。
続いて、スクウェア・エニックスの矢島氏(「FFXII」サウンドエディター)とソニーPCLの染谷氏(「FFXII」ムービー音響監督・それ以外にも「FFX」シリーズ、「FFVIIAC」「DC」「FFXIII」「FF Versus XIII」E3ムービーなどの音響も担当)による「FFXII」のサウンドメイキングが行われました。
左から染谷氏・矢島氏・ドルビーの中山氏。染谷氏はトリック劇場版2や木更津キャッツアイワールドシリーズ(秋公開予定)など映画界でも活躍
さて、「FFXII」ですが、ゲーム全体がシームレスで展開することもあって、ドルビーデジタルでのムービーシーンサウンド制作を断念(2005年のE3の配布資料ではドルビーデジタルプロロジックIIでした。なお、断念した理由はアンプによってモード切替により無音時間が発生するものもあるため)、今回はプロロジックIIでの開発となったのですが、これがまた曲者で。
というのも、FFXIIではBGMが常にフロントで流れているため、サラウンドで鳴るべき効果音がステアリングロジック(注)で前に引っ張られたり、音の鳴るオブジェクトが多すぎて、視点を変えると意図した音が鳴らなかったり、といろいろ大変という話でした。
特にラバナスタ・ダウンタウンの水車が鬼門らしいです。サラウンドシステムをお持ちの方はチェックしてみてください。
また、今回は特別にBGMがないバージョン(「FFXII」にはBGM音量調整オプションはない)を作ってデモをしていましたが、正直ラバナスタ・ダウンタウンでは破綻寸前のところまで行ってました。
注:ステアリングロジック
ドルビープロロジックIIでは正位相の音をフロントで、逆位相の音をサラウンドで再生するシステムなのですが、常に鳴っている音に位相を持っていかれやすい傾向があるそうです。なので、位相を持っていかれやすい音は芯の強い音を混ぜるなどして、ステアリングロジックで引っ張られにくい音を作るのだそうです。
Xbox 360やPS3ではドルビーデジタルでの制作が基本になるということで、プロロジックIIでの制作時での経験を生かせるのはもちろんですが、ドルビーデジタルならではの技法とそれに伴う注意点がドルビーの中山氏からレクチャーされました。(文/岩井省吾 代理アップ/ウメ)




























